韓国大統領直属の情報機関『国家情報院』は5月31日、国会情報委員会で北朝鮮の食糧難が深刻化していることに触れ、餓死者が例年の3倍に達し、自殺者も昨年より1.4倍ほど増加していると報告した。

「国連は自殺の理由として、金正恩総書記による圧政を挙げていますが、北朝鮮では自殺を『社会主義に対する反逆行為』と呼び、管轄内で自殺を防げなかった場合、地方職員が連帯責任を負うことになります」(北朝鮮ウオッチャー)

今回、自殺が増えた最大の原因は、正恩氏が昨秋に発令した穀物の流通を統制する新政策にある。

これは市場での取引を禁じ、市場価格よりも若干安い「糧穀販売所」での販売を目指すものだが、農場は安く買い叩かれる同販売所への売却を嫌がり、闇市場などで売買を続けた。

その結果、糧穀販売所での供給が滞り、山間部など物流が未発達の場所では食糧が到達せず、餓死者が大量に発生したという。

「社会不安の増大から求心力の低下を恐れた正恩氏が新政策をぶち上げ、さらなる混乱を招くという悪循環に陥っています」(同)

外交官の「脱北」も多発している。

韓国メディアは6月7日と8日、ヨーロッパ駐在の参事官クラスとみられる外交官が家族と共に亡命し、韓国政府の保護を受けていると報道。
この一家以外も含め、その数は40人近い。

「自由主義陣営の情報に触れられる外交官には高い忠誠心が求められ、北朝鮮の身分制度でも最上級の『核心階層』に属しているが、彼らにも金正恩政権に対する絶望感が広がっているということです」(国際ジャーナリスト)

朝鮮人民軍のエリート将校にも動揺が広がっている。

「高位軍人の商行為は禁じられているため、食糧を買う現金が必要なときは、民間からの軽作業請負などに兵士を動員するなどして、収入を得ていました。
しかし、昨今の経済難でこれも難しくなり、結局、親族に無心して現金や食糧を確保しています」(同)

北朝鮮には、ただならぬ閉塞感が漂っている。
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